仕入旅日誌

〇月〇日 大阪本町お昼時 仕入旅日誌 第一話

大阪仕入旅日誌

大阪本町駅 ギュウギュウ詰めの定食屋にて

大阪仕入旅日誌

 

今日は天ざるか。
何年? 何十年ぶりや?

贅沢してもたな~』

店内は満員。
狭いテーブルにギュウギュウの8人掛け。

『みんなどんぶりやな~』

「ハイッ、天ざるです!」
すぐに来た。

『んッ!?』

お盆の上にはダシが入ってるらしき醤油さしみたいなものが2つ
この2つというのは大いに問題だ。

ひとつはダシやろけどもう一つはなんや?

ヤバイぞこら・・・
偉そうに天ざる頼んで

『これなんですか?』

なんて聞かれへんし・・・

目いっぱい時間をかけて手をふいた。

お茶を飲み・・・
箸を割り・・・
漬物を食べた・・・

『どうする?』

天ざるでこんなに苦しむとは・・・
分不相応なもん頼んだからや・・

 

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起死回生の聞き方

大阪のおばちゃん

 

思い切って店員のおばちゃんに聞いた。

「これどっちがどうなんですか?」
これならバレない!!

「こちらがオダシで、こっちがおも湯です。」

『おも湯?おも湯ってなんや?』
『一言足りひんねんおばちゃん!』
自分がいつも言われることだが・・・

『薄めんのか?』

一瞬フィンガーボールが頭をよぎる。
レストランで出てくる手洗い用の水。
近所のおっちゃんが知らずに飲んだのを思い出した。

『ここはダシだけを使うのが無難だ。』

2,3本麺をすくった。
???
??????

今度はそばが切れていない

伸びるところまで腕を伸ばした端っこが出てこない。
そのままダシに入れるとダシがあふれてしまった。

『どういうこっちゃねん!』

まわりは見ないふりをしているが・・・
『絶対気づいとる』

汗だくになって僕は店を出た。
『もうけえへん・・・』

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